伝統的(トラディショナル)・アイリッシュ・ダンスについて。

個人的な意見ですが・・・,
「これぞアイリッシュ!」といったイメージは湧いてきません。
フラメンコやフラダンスのように,感情や物語を表現したりすることもなく,
タンゴやラテン系ダンスのように,官能的でも情熱的でもなく…,
いたってスポーツ的・レクリエーション的だと言えます。

伝統的なダンスであっても,他の国の民族舞踊のような華麗な or 可愛いらしい
民族衣装もなく,大体が普段着でいたって気楽に踊っています。(;^_^)ゞ

日々の暮らしの息抜きやコミュニケーションの手段として踊られる,
元気のいい自然体のダンスと言ったら良いでしょうか。

音楽と一体になる躍動感,その場にいるみんなと
楽しく過ごす…そんなダンスだと思います。

トラディショナル・アイリッシュ・ダンスの様式による分類
グループで踊る
ソロで踊る
セット・ダンス シャン・ノース
ケーリー・ダンス オールド・スタイル・ステップ・ダンス
それ以外のグループのダンス モダン・スタイル・ステップ・ダンス
  それ以外のソロのダンス

セット・ダンス(Set Dance)>

   アイルランドで最も親しまれているグループ・ダンスです。普通は男女カップル2人×4=8人を1組(1セットと言います)にして踊ります。
 ダンス自体も「○○セット」と呼ばれ,"The Plain set","The Caledonian set"等の名前が付いています。それぞれのセットは,リズムや動きの決まった短い「フィガー(figure)」が3つ〜6つ集まって構成された,全体で15〜20分ほどのダンスです。
 各地で「おらが村のダンス」として伝えられてきたので,地名に由来するセットもたくさんあります。

ケーリー・ダンス(Ceili Dance)>

   今世紀になって取捨選別され形が整えられて普及したグループ・ダンスです。
 複数のカップルが縦・横・円陣等の隊列を組んで,短い踊りを踊り続けるフォークダンス的なものもあれば,4人6人等決まった人数で複雑な図形を描くように踊る完結したダンスもあります。足運びがステップ・ダンスに近く,動作もきびきびしているものも多くあります。
それ以外のグループのダンス>
   複数のカップルが円陣となって移動しながら踊る2ハンド・ダンスは,アメリカのカントリー・ダンスで言えばパートナー・ダンス(又はミキサー・ダンス)と同源のダンスです。
 カップルが2人だけで踊るワルツ(ウォールス)や祝事の時に踊られる特別なダンスなどがあります。
シャン・ノース(Sean No/s)>
   「シャン・ノース(sean no/s)」はアイリッシュ・ゲール語で「古いやり方」の意味ですが,狭義にダンスの様式の名称としても使われています。が,同様に歌の分野でのシャン・ノース(シンギング)に対してシャン・ノース(ダンス)と表記した方が混乱がないかもしれません。
 コネマラ地方(に特に強く残る)独特のスタイルで,即興の要素が強く上半身(特に両手)を動かし,ダンサーの個性がより反映されるダンスです。
オールド・スタイル・ステップ・ダンス
   18〜19世紀にダンシング・マスターが創作したレパートリーが中心のダンスです。
 右左の足で8×2=16小節を一区切りとして,リール,ジグ,ホーンパイプ等のリズムの曲に合わせたステップを複数組み合わせて踊るダンスと,セットダンス(setdance tune: グループで踊るセット・ダンスとは異なるので注意)と呼ばれる楽曲と同じ名前を持つ,その曲でしか踊らないダンスがあります。例えば "Garden Of Daisies" "Job Of Journeywork"などなど。
モダン・スタイル・ステップ・ダンス
   近年,世界各地で流行しているダンスです。競技会を目指して教室に通う子供達も多く,女性はケルト文様の衣装やかつら・髪飾りなど見た目も可愛く,華麗な衣装で踊るのが一般的です。
 足を高く蹴り上げたりジャンプしたり,広い範囲を動き回って踊りますが,音を立てず動きを見せるものと,タップ音をたっぷり聞かせるものとで異なる種類の靴を使います。
ソフト・シューズのダンスハード・シューズのダンス
それ以外のソロのダンス>
   余興で踊られるほうき(モップ)・ダンス,ドア板を床の上に置いてその上で踊るドア・ダンス〜四隅にビールの入ったグラスを置いてこぼさないように踊るのが名人とか〜などが有名です。
註:O/,o/ はアルファベットの「O,o」にファーダが付いた文字の代わりに使用しています。
註:あくまで作成者の知る範囲,拙い知識で書いていることをご念頭にお読みください。
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